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博多は、うどん・そばの発祥の地

博多発祥とされる歴史

博多駅前にある「承天寺(じょうてんじ)」というお寺をご存じでしょうか?
承天寺は、今から約770年前の鎌倉時代に「博多山笠」の創始者としても知られる聖一国師がひらいた臨済宗のお寺です。このお寺の境内に「饂飩蕎麦発祥之碑」が建っています。

聖一国師は、当時の宋である中国に渡り修行され、禅の大法と、宋の文化を日本に持ち帰り伝えられたものですが、その代表的なものとして「古文書・水磨の図(国宝・京都東福寺所蔵)」を残されました。 これにより、今日の製粉技術の根幹をなす粉挽きの技と、原点である麺・饅頭が伝承されたわけです。

博多は、歴史的に「饂飩・蕎麦」との関係がとても深く、「伝承的麺文化」を世の中に普及させた誇り高き街なのです。

水磨の図 聖一国師が宋から持ち帰った製粉技術を記す図面「水磨の図」
饂飩蕎麦発祥之碑 承天寺「饂飩蕎麦発祥之碑」

体にもいい素朴な麺

中世博多うどんの最大の特徴は、九州産の小麦粉 チクゴイズミを使い、それに今では使わない小麦の胚芽やふすま(麦の薄皮)を加えたこと。これは、当時の製粉技術では胚芽などを分別することができなかっただろうという理由から。

この手法で作ることによって、ミネラルやビタミン、食物繊維などを多くふくんだ胚芽などを、自然に摂れる健康的なうどん麺に仕上がりました。

通常の麺よりわずかにくすんだ茶褐色の麺は、麺自体が香ばしい麦の味がして、なんともいえない小麦粉の香りがただよいます。
それはざるうどんなど冷やして食べる調理法だと一層際立ちます。